西洋医学で十分に治療効果が得られていない患者様に対し、東洋医学的視点から考え、漢方薬治療を併用することで新しい可能性を提示します。可能性には治療だけでなくライフスタイルや食生活も含まれます。
当院では西洋医学の専門性として循環器内科という一面があるため、レントゲン写真や心電図、超音波検査、血液検査などを受けていただくことができます。
しかし、漢方医学は原因に対して治療をする西洋医学と異なり、患者様が困っている症状に対し、その人それぞれの証(体質に近いもの)を加味して効果のある漢方薬を選ぶことを目的に診察をしています。そのため検査の必要はなく、原因のわからない病気にも対処ができますし、特に循環器に限らずどんな病気にも対応できます。また、同じ病名でもそれぞれの証により投与する漢方薬が変わるのも特徴の一つです。
漢方医学では症状と診察所見を合わせて判断される証(体質に近いもの)から漢方薬を選択します。証を判断するのに以下の四診を用います。
視覚(姿勢・顔色・顔つきなど)によって病状を判断します。中でも舌診は特徴的で舌の色や歯形が付いているか、舌の裏の静脈が腫れているかなどを診ます。
声の張り、においなどによって病状を判断します。
患者様の訴えを聞くのはもちろん、証の判定に必要な情報を聞き出します。ご本人が関係ないと思っていることが重要な情報になることもあります。
脈診と腹診のことです。脈診は両方の手首の脈を触れ、腹診は文字通りお腹を触って証を判定します。江戸時代に発展した日本漢方は腹診を大切にしていますのでお腹を見せやすい服装でのご来院をお待ちしております。
それぞれの漢方薬に証が定められています。写真は江戸時代に書かれた『葛根湯証』の絵で肩を首が強ばっている(項背強)という状態が描かれています。葛根湯の証は発熱・悪寒するが汗がなく、頭痛・身体痛(節々が痛い)・肩こり・下痢などの症状があって脈をとると軽く触れただけで緊張した脈を触れ、腹診では臍直上に圧痛点があると言われています。これらの状態を四診にて判断し、当てはまると『葛根湯証』と判断されます。しかしこれらのすべてがそろうことはまれで、中には1つか2つしかなくても葛根湯証と判断しなければならないことがあることが難しいところです。『葛根湯証』と判断されれば風邪の初期や肩こりだけでなく頭痛・結膜炎・中耳炎・扁桃腺炎・リンパ節炎・乳腺炎・蕁麻疹など多彩な病気に葛根湯を投与すると著効します。このように処方と証が一致しているということを方証相対とか方証一致と言い、特に日本漢方は漢方薬と患者様の状態が一致することを大切にしています。
まとめると漢方医学は原因を問わず、どんな症状に対しても証が判定できれば効果が期待できるという特徴がありますので、どんな病状でもまずはご相談ください。
当院でよく診療している病名については「漢方薬で対応できる診療」を参照してください。
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