自閉症と漢方

自閉症について

自閉症について

自閉症スペクトラム障害は社会性の障害、コミュニケーション障害、想像力の障害とこだわり行動を持ってしまう病気です。この社会性の障害、コミュニケーション障害、想像力の障害とこだわり行動を一次障害と言います。自閉症スペクトラム障害の方に強い不安・緊張が加わると、興奮・易怒性、パニックなどをおこすことがあります。これが二次障害と言われている状況です。

自閉症における漢方薬の効果

自閉症スペクトラム障害に漢方薬が効果を持つと言うことを聞かれた方も多いと思いますが、2016年に高松市でおこなわれた第68回日本東洋医学会総会で甘麦大棗湯が二次性障害だけでなく、一次性障害にも有効であったと報告されています。つまり自閉症スペクトラム障害の根本的な問題に対して漢方薬が効くことがあると言うことです。

この報告の要点は以下の通りです。

  1. 自閉症の98例に甘麦大棗湯を投与し、そのうち75例が内服可能だった。
  2. 内服できた例では39%に一次障害と二次障害の両方の改善が見られ、27%に二次障害のみ改善が見られ、21%に無効例が見られた。
  3. 低年齢ほど一次障害と二次障害の両方の改善が見られた例の多いこと(5歳未満)
  4. 低年齢では内服量が通常量の2倍以上必要なこと

まとめると5歳未満の方で量の多い漢方薬が飲めれば自閉症スペクトラム障害の根本的な問題に対して効果が出ることがあるとなります。

漢方薬の飲み方について

当院では低年齢の自閉症のお子さんに量の多い粉薬(写真1)を飲ませることは困難であると考えています。漢方薬は本来、生薬を水で数十分煮だして作る液状の飲み薬です。当院では1回分を真空パック(写真2)とし、のむ前に湯煎してコップに注ぎのんでいただける煎じ薬をこれまでは保険外診療として提供させていただいていますが、飲まれた方からは一応に粉薬より飲みやすいと伺っております。そこで当院ではお子様に向けて甘麦大棗湯のみ保険診療で煎じ薬を提供できるように整備しました。(自宅へ煎じ薬を送りたい方は包装代と送料がかかります。)自閉症で漢方治療をご希望な方、他院で粉薬が飲めなかった方、是非当院へご相談ください。

写真1

漢方の飲み方について 写真1

写真2

漢方の飲み方について 写真1